謹賀新年、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

今年の干支は「イノシシ」です。イノシシが使われている言葉に「猪突猛進」や「猪武者」などがあります。「猪突猛進」とは、周囲の人のことを考えずに、一つの事に向かって猛烈な勢いで突き進むことを意味しており、また「猪武者」とは、向こうみずに敵中に突進する武士や、状況を考えないで、がむしゃらに事を行う人のことをいいます。両者共にかなりの勢いはありますが、本来それだけでは不十分な気がします。できれば、今年は必要に応じて、物事に対して猪突猛進の精神と共に、あわせて柔軟な精神をも持ち合わせた形で、臨機応変に新たな一年を過ごしていきたいと思います。

イノシシの子供はその体の形や模様が「うり」に似ていることから、しばしば「うり坊」と呼ばれます。イノシシは子供のころから鼻先を使って食べ物などを土の中から掘りおこす力が、かなり強いです。うり坊と呼んでバカにしていると、成人男性でも、簡単にひっくり返されてしまうほどの力があります。近年その生息数が増加しすぎて、悪者扱いされることがありますが、イノシシの力は子供の頃にすでにそなわっているようです。

イノシシの胆汁は猪胆汁として、またその皮膚の脂は、猪膚(ちょふ)として用いられます。(実際にはイノシシではなく、ブタであったとも言われています。)『傷寒論』には、少陰病の下痢などの治療に猪膚を用いた猪膚湯が記載されています。材料や製法が沖縄銘菓の「ちんすこう」やスペインの「ポルボロン」というお菓子も似ている点が興味深いです。