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栽培こよみ 第19回

 
 サネカズラ  Kadsura japonica Dunal
 
 サネカズラは雑木林などで、他の植物に絡みついて蔓を伸ばして行く植物で
す。学名のカズラは葛からつけられた名で、種小名のジャポニカは日本という
意味で、日本原産の植物です。
 秋のころ、常緑の葉の間から赤い実がぶら下がる風情がお気に入りで、数株
を鉢植えにして、棚仕立てにして、盆栽にして楽しんでいます。
雌花(緑色)
雄花(赤色)
写真は雌花(緑色)
   と雄花(赤色)
 
 サネカズラは雌雄異株ですが、まれに両性花をつけるものがあります。古く
には整髪料として使われていたようで、短く切った蔓をお湯につけておき、絞
りますと粘液が出てきますので、それを髪につけます。
 
 
 サネカズラの栽培は容易で、植替えや挿し木などの作業は今頃か、あるいは
春が最適です。土は選ばず市販の園芸用培養土など植えますとよく育ちます。
 殖やし方は実が赤く熟したころに収穫して果肉を水で洗い、すぐに培養土に
蒔きます。挿し木は茎を10センチほどの長さに切ってさし穂を作り、赤玉土
や鹿沼土に挿しますと発根します。秋挿しは今年に伸びた枝を、春挿しは前年
に伸びた枝を用います。また、蔓の一部を土につ
サネカズラ
けて発根させる取り木の方法でも増やせます。
 できるならば赤い実のなる木の方を栽培した
いので、実の付いている木を確かめてから挿し木
や取り木で増やすのが賢明です。
 
 サネカズラの葉は常緑で光沢があって奇麗で
すが、蔓を伸ばして大きくなる植物です。鉢植えにして盆
サネカズラ
栽のように小さく作って楽しむのも良いものです。
 まず長く伸びた蔓の先を切り取ります。残った太い枝か
ら新芽が伸び始めたら葉を3、4枚残して切り取ると、付
け根に花が咲き実をつけます。これを毎年繰り返しますと
盆栽仕立ての鉢植えができます。
 
 ぜひ一鉢栽培して薬局の飾りに使いましょう。

(2009年10月1日)