| ウマノスズクサ ウマノスズクサ科 |
| 園芸店でウマノスズクサを見つけました。ウマノスズクサはラッパ型の奇妙 |
| な花をつけるおもしろい植物です。むかしむかし、昆虫少年だった頃にこの植 |
| 物の側でジャコウアゲハという蝶の飛来を待ち | ![]() |
| 構えたものでした。ウマノスズクサはこの蝶の食 | |
| 草だからです。 | |
| しかし、此の所ウマノスズクサを野外で見るこ | |
| とはめっきり少なくなりました。園芸店の主人の | |
| 話では、何でもこの植物を盆栽にして楽しむのが | |
| 流行っているそうで、最近は市場の流通量が少 | |
| なくなっているとのことでした。 |
| 買い求めた鉢は、中心に一本の長い棒が立ててあって、ウマノスズクサの蔓 |
| がその棒に巻き付き始めたところでした。この植物は蔓を伸ばして背丈が相当 |
| 大きくなりますから、早めに大きな鉢へ植え替えて行灯作りにすることにしま |
| した。 |
| 鉢を6号から10号の大きな鉢へ植え替えることにし | ![]() |
| ます。それで、10号鉢と、蔓を絡ませる10号のリン | |
| グ支柱、そして園芸培養土などを準備します。 | |
| ウマノスズクサの新芽は折れやすいので絡まってい | |
| る棒から慎重に外します。 | |
| まず鉢の四分の一ほどに大粒の培養土を入れておき | |
| ます。その上に鉢から出したウマノスズクサの株を、 | |
| 鉢の中心に置きます。この時、根鉢を崩さないように | |
| 丁寧に扱いましょう。盛に成長しているときの移植は | |
| 良くないのですが、土を崩さないようにして鉢増しす |
| る程度であれば問題ありません。株の位置が決まれば周りに残りの培養土を入 |
| れて行きます。そして蔓の先をリング支柱に絡ませて、バランスよく上に伸び |
| るように誘導しておきます。 |
| 植え終われば鉢底から流れ出るほどにたっぷり水をやります。そのとき緩効 |
| 性の化成肥料を鉢の縁に少量与えて置くと良いでしょう。 |
| ウマノスズクサなど、アリストロキア属の植物は奇妙な花を咲かせる種類が |
| 多いので、よく植物園で栽培されています。しかし、ほとんどが熱帯産なので |
| 栽培に温度が必要です。でも日本のウマノスズクサは寒さに強く、丈夫な植物 |
| なので、一株植えておけば毎年おもしろい花を楽しむことができます。 |
| ウマノスズクサの根を乾燥したものを青木香と言い解毒に、果実は馬兜鈴と |
| 言い、鎮咳、去痰薬に用いられます。 |
(2010年7月1日) |