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栽培こよみ 第58回

 
 多肉植物
 
 ある化粧品メーカーの展示室を訪ねる機会があった。商品が化粧品だけに、全
体にとてもきれいに飾られていた。
 廊下などの広い空間には、花の写真
多肉植物の小さな鉢植え
が壁にかけてあったり、観葉植物の鉢
植えが置いてある風景は普通である
が、商品の展示台に多肉植物の小さな
鉢植えが置かれていたのが印象的で
あった。
 多肉植物とは葉や茎が多肉質にな
っている植物のことで、様々な植物が
含まれる。
 多肉植物と言ってもいろいろあるが、安い価格で売られているような種類は
管理が比較的やさしいものが多く、その上よく増える。色も形も様々な種類あ
って、組み合わせを工夫すれば面白い鉢植えができるのである。
 
 さて、多肉植物はどうして手に入
多肉植物
れるのか。園芸店やホームセンター、
あるいは100円ショップでも売って
いる。大体100円程度から高価なも
のまでいろいろある。
 中には多肉植物のバイキングなど
と書いてあって、どれでも均一料金
という店もあった。 そんな中から
数種類ほど、色や形の好みのものを
選んでみよう。はじめは低価格のも
のを選ぶが良い。一般に安い種類は丈夫でよく増えるからである。
 同時に植木鉢と培養土を買っておこう。鉢は飾りとして使うのであるから、
色や大きさを考えて購入する。水やりの水が回りへこぼれては都合の悪い場合
は、鉢と受け皿とがセットになった植木鉢も便利である。また、植木鉢の代わ
りに窪みのある石や流木に植えても面白いものができる。
 
 培養土はサボテン・多肉植物用の培養土が売っているから、それを使うのが
便利である。小袋でもたくさんの鉢に植えられる量が入っていた。
 
 材料が揃えば鉢へ植えつける。鉢底の穴に培養土が落ちないように鉢底ネッ
トを入れてから、先に培養土を入れておく。そして箸のような細めの棒を使っ
て植える位置に下穴をあけて、そこへ茎を挿し込むようにして植えて行く。多
肉植物は小さな鉢へ、少し込み合ったぐらいに植える方が見栄えが良い。
 
 植え終えた鉢は日当たりのよい窓
多肉植物
辺へ置く。水は土の表面が乾くと十分
に与える。これから寒くなる時期には
水やりを少し控える。乾燥にもよく耐
えるからである。
 肥料は植え替え時に緩効性化成肥
料を少量与えておくとよい。
 増やし方は至って簡単、長く伸び過
ぎた茎や増えた枝を切り取り、下葉を
2,3枚取り除いて、培養土に挿して
おくだけでよい。葉も捨てないで、空いたところに挿しておくと、やがて根元
から芽を出してかわいい子供が誕生する。
 

(2012年10月1日)