ホーム > 漢方・生薬について > 栽培こよみ > 栽培こよみ2014年 > 第74回 ヒョウタンボク スイカズラ科

栽培こよみ 第74回

 
 ヒョウタンボク スイカズラ科
 
 今頃にヒョウタンボクの花が咲いています。と言えばちょっとおかしいので
はないかと思われることでしょう。私もそう思いますが、実際にこの寒い時期
にもかかわらず長い間花が咲いているのです。春には花を、夏には実を楽しん
だ後に、もう一度花を見られることになりました。
ヒョウタンボクの花 ヒョウタンボクの花  

ヒョウタンボクの花

 
 それは、夏にヒョウタンボクの赤い実の付いた枝を花瓶に挿しておいたら発
根してきました。赤い実は落ちたものの、きれいな葉をたくさんつけていたか
ら植木鉢へ土で植えておきました。すると枝から新芽がでて、緑の葉を展開し
てきました。古い葉と新しい葉の混在状態です。やがて新葉の間から花芽を出
して12月になって再び花が咲きだしました。やがて古い葉は落ちて、花の終え
た後に小さな実ができていますが、大きくならずにじっと休んでいる様子です。
もう少し観察を続けて行きます。
 
 ヒョウタンボクは北海道から九州までの山地に自生しています。瓢箪のよう
な実を付けるので観賞用に鉢植えや庭木として栽培されることがあります。
 花は5,6月頃、葉腋から2花を並べて咲かせます。咲き始めは白色ですが、
日が経つにつれて黄色く変色して行きます。スイカズラ科の特徴です。白色と
黄色の花が混じって咲くことから、金銀木の別名があります。実は大きくなる
と赤く熟して2つの実がくっついて瓢箪のように見えます。それでヒョウタン
ボクという名がついたのでしょう。
 この実は猛毒で、イリドイド化合物を含み、誤って食べると嘔吐、下痢、痙
攣などの症例が報告されています。近縁のウグイスカグラの熟した実は食べら
れるのですが、ヒョウタンボクの実は食べないように注意が必要です。
 
ヒョウタンボクの花芽 ヒョウタンボクの花の咲き終えた様子  

ヒョウタンボクの花芽と花の咲き終えた様子

 
 さて、ヒョウタンボクの栽培は至って簡単、土質を選ばずどこでもよく育ち
ます。ここでは5号のプラスチック鉢に赤玉土、鹿沼土、日向土の等量混合し
た培養土、それに腐葉土を1割ほど加えて植えました。いつも使っている培養
土です。増殖は株分けや挿し木で増やします。
 
 花屋さんで、切り花を水に挿しておいたら発根することは時々あるそうです。
シキミなどはよく発根するそうで、それを発根シキミとして売っていることが
あります。この方が長くきれいな状態を保つと云います。
 枝を土に挿して増やす方法は挿し木で、園芸家はよく使う方法です。では、
生け花に使った枝からもう一度葉を展開して花を咲かせたのはどうしてなので
しょう。不思議です。もう一度挑戦してみます。
 

(2014年2月1日)