| キンミズヒキ バラ科 |
| キンミズヒキは日本の北から南まで、全国の里山や路傍に見られる雑草であ |
| る。一度庭に植えようものなら、特別 | ![]() キンミズヒキの花 | |
| な管理をしなくとも増えて増えて、き | ||
| っとその処置に困るほどである。 | ||
| わが家の庭にも植えた記憶がないの | ||
| に何時からか庭のあちこちから芽を出 | ||
| して、毎年、今ごろ黄色い花を咲かせ | ||
| ている。 | ||
| 雑草扱いにされているからなのか、 | ||
| 栽培方法などを調べてもどの本にも見 | ||
| 当たらないが、茶花の栽培の本には簡 | ||
| 単に解説されているのを見つけた。 |
| お茶の世界では添え花として使うことがあるらしい。 |
| しかし、薬草としては古くから用いられて、腹痛や下痢にはよく効くとある。 |
| キンミズヒキについて白井光太郎は「きんみずひきは路傍に多き雑草なれども、 |
キンミズヒキはあまり園芸店で売っ ているのを見ることはないと思うが、ち ょっと郊外に出れば野外ではよく見か ける。むしろ山歩きで草むらを歩いてい |
治痢の効は却てげんのしょうこに優るとも劣ること は無い。現に僕の教室に居る一人は久しく腸を痛め、 先ず「現の證據」を用いたるも一時効ありしも全治 せず。きんみずひきを用いるに及んで初めて、全治 せりという証拠がある。と雑誌、薬草輸出農産に書 いている。 そのような理由で薬草に携わっているものとして、 一度キンミズヒキを栽培してみることにしよう。
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| ると何時の間にやら種がズボンについて、取るのに苦労することがある。熟し |
| た実には鈎の付いた刺があって、動物や人にくっついて縄張りを広げるような |
| 仕掛けになっている。 |
| 秋に種を蒔くと翌年の春には苗ができて、株は小さいがその年に花を見るこ |
| とができる。もし小苗があれば鉢に移して楽しむのもよい。 |
| 培養土は選ばないが、畑土に腐葉土か堆肥を少量加えたものか、あるいは市 |
| 販の園芸培養土でよい。野外でキンミズヒキは日当たりから林床のような日陰 |
| 地でもよく育っている。宿根草で根際から新しい芽を出して大きく成長する。 |
| 庭植えにしておくと、それこそほとんど管理がいらないだろう。 |
![]() 庭植えと鉢植えにしたキンミズヒキ |
![]() |
| 肥料はやりすぎると大きくなって野趣に欠ける。鉢植えにするなら山野草の |
| ように小型に仕立ても面白い。 |
| 薬用には全草を乾燥したものを煎服すると、腹痛、下痢に効果があるという。 |
(2014年10月1日) |