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栽培こよみ 第88回


 レンギョウ モクセイ科

 レンギョウの花が満開である。レンギ
レンギョウの花
ョウは葉が出る前の枝先に黄色い花をた
くさんつける。株は大きくなるとたくさ
んの枝を伸ばすから、まるで株全体が黄
色の花で覆われたように見える。
 昔、韓国で斜面が黄色の帯のように連
なっている風景を見た。聞くとレンギョ
ウの花だという。それからレンギョウを
斜面に植えて、伸びた枝が垂れ下がるようにしているのだが、わずかな株では
なかなか黄色に染まらない。

 レンギョウは中国原産で、わが国では古くから庭園樹として植えられている。
花譜にも記載が見られるから、相当古くから栽培されていたようである。
 市場に流通しているレンギョウの他にはシナレンギョウ、その変種とされる
チョウセンレンギョウなどがある。日本原産のヤマトレンギョウもあるがほと
んど流通していない。また、レンギョウには葉に斑入りのものなどもあって、
庭園樹の他に垣根にしたり、盆栽にしたりと、栽培方法を工夫するといろいろ
と楽しめる。

 レンギョウの栽培は至って簡単、土質を選ばず、日当たりが良く、水はけの良
い所へ植えるとよく生育する。崖や斜面の上の方に植えて、下へ長く伸びた枝
を垂らす栽培は花の時期には見事に見えると思う。シナレンギョウは直立する
がチョウセンレンギョウは枝が強く湾曲するのでこの栽培に向いているようだ。
調整した挿し穂
 調整した挿し穂と赤玉土の挿し床
赤玉土の挿し床
 植え替えや植え付けの適期は花が咲く前が良いが、鉢植えを植えるならいつ
でもよいだろう。
 増やし方は挿し木で増やす。花の終わった枝を15?程度の長さに切り、赤玉
土に挿し木をするとよく発根する。生け花で使った枝でもよい。切り口に市販
の発根剤をつけると一層活着が良くなる。挿し木の適期は花の終わった今頃か、
6月の梅雨の頃でもよい。簡単に挿し木をするには、写真のように市販されてい
るピートを固めたものに挿すだけで良いから便利である。
挿し木をしたところ
 挿し木をしたところ
挿し木をしたところ
 レンギョウは鉢植えで楽しむこともできる。木の勢いが良いと多数の徒長枝
が発生するから、切り戻しや間引きを行って樹形を整える。あるいは矮性種を
植える。また、肥料を控えめに与えるようにする。
挿し木をしたレンギョウの鉢植え 挿し木をしたレンギョウの鉢植え
 去年の今頃に挿し木をした鉢植えである。小さいながら1年目で花芽がつい
て花が咲いた。大きな鉢へ植え替えて肥料を与えれば株はもっと大きくなる。

 薬用には果実を用いる。夏のころに収穫し、日に干して乾燥する。ただし、
レンギョウは雌雄異株である。

(2015年4月1日)