ホーム > 漢方・生薬について > 歳時記 > 歳時記(2002年) > 別れと出会いの季節です。

歳時記


別れと出会いの季節です。
 
 ほんの数日前までは、卒業式や配置換えなどで、人との別れを惜しんでいたのに、新年度がはじまるとともに新た
な出会いが始まりました。
 
 そして、気が付けば、戸外は大層にぎやかになっていました。
木の上では、黄色のレンギョウや桃色のサクラがもう満開に近く、白い大きなモクレンの花、紫のシモクレン。下を見
れば土の上には白いハコベ、薄紫のオオイヌノフグリ、またある場所にはツンとしたつくしんぼ。
これらは、今咲いたものばかりではありません。順番に咲き始めていたはずです。
それに気づかなかったのは、ここ何週間、私は心を亡くしていたのだと思いました。
 
 日本といえば、「サクラと富士山」が有名です。
 
 今年は例年になく暖かい日がつづき、サクラも早くから咲きはじめていました。
 
 このお天気のおかげで、1年半日本に滞在し、13年度の最後の日に母国へ戻られる先生(植物学者)をサクラの
花の中で、見送ることが出来ました。
 
 サクラの幹の皮は、「桜皮」と称され体内の毒素を排出する処方「十味敗毒湯」に配合されています。中国からの
処方が多い中、「十味負毒湯」は紀州の華岡青洲が考案した処方であり、「桜皮」は日本独自の薬物です。