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歳時記


オウレンの花
 
 「梅は百花の魁」といわれるように、梅の花は花木の先頭を切って咲き始めることで知られています。
草の中では、水仙が先頭でオウレンはその次くらいでしょうか。
ようやく残雪も消え、オウレンの花を観察することができました。
 
 花茎の先端に約1cmほどの白い花がつきます。
花の一番外側で花びらのように見える白い披針形のものは、「がく片」です。
その白いがく片に囲まれるように、白い花弁(花びら)、多数の葯をつけた花糸、みどりの子房があります。
それらのほとんどが線形で、放射状に配列している繊細な姿は、「愛らしい」。
 
 オウレンの根茎は消炎、健胃、また止血を目的とした各種漢方薬に配合され、また配合剤(胃腸薬)の
原料とされます。民間的には古くから口内炎などに利用されてきました。
 
 みなさんが山に出かけられる新緑の頃には、オウレンの花は終わっていますが、矢車のように広がった
果実を目にすることができるでしょう。