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歳時記


冬の花は水仙に限る
 
 二十四節気でいえば今は最も寒い「大寒」にあたるのですが、数日前には、太陽の暖かさを感じる日が何日かありました。
屋外は、いつもと異なる趣を感じます。
水仙においては、例年では、ほとんどが倒れて、時には痛々しいとさえ感じられる花なのですが、今年はシャキと立ち、茎も
長く、花もたくさんつけて、立派に見えます。
雪が少なかったためです。
 
 水仙は江戸時代の華道における伝書『生花七種伝』に、「陰の花(冬の花)水仙に限る。賞美すべき花なり」と収載されま
す。松竹梅についで、めでたく格式ある花として、約束ごとが定められ大切に扱われます。
また、冬の寒風に堪えて咲く水仙の花は、その外見の可憐さ、その馥郁たる芳香、清らかに咲く姿は心を落ち着かせ、
また、すっきりした香には鎮静作用があるとされます。
 
 古来、陰花の代表として受け継がれてきた水仙ですが、このままでは、代表の名を返上しなければならない日が来る
のではないかと、やや不安です。
 
 地球温暖化は、日本文化の継承にまで影響を及ぼすようです。