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歳時記


「麦秋」
 
 緑、緑、黄金、緑、緑、緑、黄金、緑。
 
 瑞々しい緑の中に黄金色の長方形がひとつ、ふたつ。
 
 黄金色は、ひと月ほど前に田植えを終えた水田地帯の中にある麦畑。
初冬に蒔かれた麦は、越冬し、今まさに、実りの時期を迎えています。
今は、「麦秋」(バクシュウ・ムギアキ)です。
麦秋のアキは、『喰い飽きるほど取れればいいなぁ』という思いに通じます。
 
 麦の中でもオオムギの種子を発芽させたモヤシを乾燥したものは、「麦芽」
あるいは「浮小麦」といい、消化を助け、健胃の効果があります。
建中湯類に欠かせない膠飴を作るときにも、「麦芽」は必要なものです。
 
 初夏なのに「秋」って変な気もしますが、そんなことを気にせず、収穫期を秋
と表現した「麦秋」という言葉には、何気に趣を感じます。