ホーム > 漢方・生薬について > 歳時記 > 歳時記(2004年) > 「竹と笹」

歳時記


「竹と笹」
 
 7月7日は七夕です。願いを込めた短冊を竹笹にぶら下げて、それが叶うようにと祈ります。
七夕が近づくとどこの保育園でも「ささの葉さらさら・・・」とかわいい歌声が聞こえてきますが、
これは笹でしょうか?竹でしょうか?
 
 竹と笹はよく似ています。長い地下茎があり、稈(茎、葉)は疎に出て、葉に横脈がある点では
同じです。
しかし、竹は稈の皮が剥がれ落ちますが、笹は落ちずにいつまでも残ります。
 
 竹にまつわる生薬には、淡竹葉、天竹葉、竹茹、竹瀝があり、それらは清熱、解熱、利尿などの
効果があります。
笹の葉は、「クマザサ茶」などと称して、民間的に口内炎、高血圧、口臭予防などを目的に使用され、
「笹だんご」、「笹寿司」、「ちまき」などは、笹の葉の抗菌、防腐作用を利用しています。
 
 最近、緑茶などは粉末にして服まれることもありますが、
笹は、繊維が硬くケイ酸分が多いため、粉末にして服用すると胃の粘膜を傷めたり、胃腸障害を起こす
ことがあります。やはり、お茶で頂きましょう。
 
 ある日、橋の上から近くで竹?笹?を見て「ささの葉さらさら」という表現を実感したような気が
しました。植物の上部は、風に吹かれると簡単に靡き、「さらさら」、あるいは「サワサワ」と乾いた
音がしそうです。