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歳時記


夏の花 -オニユりー
 
 オニユリは、夏を代表する花のひとつで、「夏休み」を連想される方もいらっしゃるようです。
鬼の顔のように真っ赤な百合ということから「鬼百合」の名があり、反り返った花の様を天蓋
に見立てて「テンガイユリ」の別名もあります。
英名はTiger Lily。そり返った花びらの内側に、黒っぽい紫色の斑点があり、その様子がトラの
毛皮に似ていることに由来します。しかし、「トラ」柄というよりはむしろ「ヒョウ」柄。
 
 昨年、八百屋で買ったユリ根を植えたところ、ムカゴのない赤い花が咲きました。
オニユリの葉腋にはムカゴがつきます。もし、ムカゴがなければ、それはコオニユリです。
 
 食用としては、苦みのないコオニユリが多く、
薬用としては、やや苦みのあるオニユリともいわれますが、広く同属植物の鱗茎が用いられます。
ユリ根の生薬名は、百合(びゃくごう)です。鱗茎は秋に採集されます。
虚症を改善する薬物として利用され、カラカラに乾いた気道を潤し、咳を止める効力があります。
食べれば消化がよく、滋養に富み、体力が落ちているときには絶好です。
 
 梅雨が明けて、これから本格的な暑さが迫ってきます。夏ばてかな。と思ったときなどに「百合
粥」など製して食するとよいかもしれませんね。