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歳時記


「思い出の青いみかん」
 
 近頃では、1日の最低気温が20℃を割り、朝晩は寒さすら感じます。
コンビニには暖かい飲み物が陳列され、スーパーの店頭には、緑と黄色の「地物みかん」が
たくさん並ぶようになりました。
 
 私の「みかん」の思い出は、小学校時代の運動会や秋の遠足に遡ります。
午前中に走り回り、あるいはたくさん歩いた後でのお弁当後の「青いみかん」です。
小さくて皮は青く薄く、中はやや薄い黄色で、味は確か酸っぱかった。
冬に食べるオレンジ色の甘いみかんに比べれば、それほど好んで食べたわけではありません。
今は、最後に「青いみかん」を食べたのはいつだったか、思い出せないくらい食べていません。
しかし、10月を迎え、「運動会や秋の遠足シーズンだな。」と思うと、今でもあの時の「青いみかん」
が頭の中に甦ってきます。
 
 乾燥させたみかんの果皮は、生薬名「橘皮」で、一年以上経た古いものは「陳皮」です。
健胃、鎮咳、嘔吐に効果があり、平胃散、六君子湯、二陳湯など多数の処方に配合されます。
また、陳皮は七味とうがらしの中のひと味でもあり、多くの人が知らぬ間に、口にしている身近な
生薬です。