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歳時記


「菊」
 
 黄色や白色の小さい菊の花が、庭先に。
山を切り開いて作られた道路沿いの脇の斜面に、見られるようになりました。
菊といえば、常に仏壇に供えられており、一年中ある花といった印象を受けますが、
自生するもののシーズンは今です。
 
 中国では、旧暦9月9日の重陽の節句には、「菊酒」で邪気を祓います。
また、この日に摘んだ菊の花を乾かし、「菊枕」を作る風習があります。
枕の中から香るほのかな菊の香りは、不眠や頭痛に効果があるとされています。
 
 菊花は、解熱、解毒、鎮痛、消炎作用を有し、感冒、発熱、頭痛などに利用される
生薬です。このことからも「菊枕」はなるほどと感心させられます。
 
 今年の旧暦9月9日は、10月22日(金曜日)にあたります。
香りの強くない日本酒に、菊の花を浮かべ、邪気祓いを兼ねて菊の香りを楽しみましょう。
湯を注いで「菊茶」にするのもよいですね。
菊の花は、今、開花中のリュウノウギクなど香りのよいものがお勧めです。