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歳時記


秋の到来を告げる花
 
 新しい建物の脇に、白と緑の尖った葉と紫の花。
 
 この植物は、ヤブランの園芸品種フイリヤブランです。
 
 ヤブランは名前が示すように、もともとは山中の藪に自生する植物で、山のなかでは、それほど印象に残るという植物でもありません。
 
 しかし、光の下では、紫や白緑が美しく、それに惹かれて、誰もが駆け寄って足を止めてしまいます。


 根の先端に出来る塊根は、肺を潤して熱を除き、咳を

止め、また胃陰を補って口渇を止め、心熱を除いて不

眠・不安などを解消し、また、腸を潤して便通をよくする

とされる生薬・麦門冬の代用とされます。麦門冬の原植

物であるジャノヒゲとは属が異なりますが、大葉麦門冬

という別名もあるようです。
フイリヤブラン
        フイリヤブラン

 植物が花を咲かせる季節はなんといっても春が一番なのですが、夏や秋に咲く植物もあります。
ヤブランなどは、真夏を避けて、気候が温暖になりはじまた秋の初めに、じっくりと花を咲かせ、そして果実を実らせるようです。