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歳時記


柿が赤くなれば・・・
 
 山の紅葉を楽しむには、あと少しでしょうか。
コバノガマズミやウメモドキの赤い実、コムラサキシキブの紫の実がちょうどよい塩梅で色づき、柿の木も橙色の丸い実をぶら下げ、徐々に徐々にと、確実に、山は鮮やかに変身しようとしています。
 

 柿の果実は古くから水菓子として親しまれ、

「柿の花」は夏、「柿」は秋の季語として親しまれます。

原産地は中国ですが、古くに日本に伝えられ、

疲労回復や風邪の予防に効果があるとされています。

「柿が赤くなれば医者が青くなる」と諺にあるほどです。
フイリヤブラン

 生薬としては、柿蔕(してい)があり、しゃっくりや鎮咳・鎮吐に用いられます。干し柿の表面につく白い粉である柿霜(しそう)は粘膜を潤し、咳を止め、痰を取り除く作用があります。
 
 また、果実に含まれるタンニン、酵素や果糖は、二日酔いの原因を分解、排出し、エネルギーの補給を行う作用が知られています。多量に含まれるカリウムによる利尿効果も期待できます。
 
というわけで、 秋の夜長、お酒を楽しんだ後のデザートとして、柿は最適な食材のようです。