ホーム > 漢方・生薬について > 歳時記 > 歳時記(2007年) > さくら咲く

歳時記


さくら咲く
 
 幼稚園から大学まで、どこもがこの1週間のうちに入学式を終えたようです。
今年はちょうど桜の開花時期と重なり、校庭の桜と新しい制服姿の新入生。
まさに絵に描いたような日本の入学式だったのではないでしょうか。
 
 桜色は英語ではピンクです。日本でいうピンクには、紅の割合によって撫子色、桃色、桜色などがあります。
 「桜色にうつろふ雲のかたみまで猶あともなき春風ぞ吹く」『新後撰集』広大な中国では底抜けに明るい桃色が好まれますが、
日本では、古くから歌や物語に数多く現れたのが最も紅が淡い桜色でした。

 開花した大きな桜の木の下で淡い淡い紅色の花を観賞するとき、
無条件に日常の慌ただしさから抜けたような気分になり、
新たな気持ちでこれからの1年をむかえられるような気がしました。
 
サクラ

 塩漬の桜の花は、桜湯としておめでたい席で用いられます。
香りとともに水中花のように花びらが浮かび、舌と鼻と目で味わう日本独自のハーブティーです
 
 また、桜の樹皮は生薬「桜皮(オウヒ)」であり"十味敗毒湯"に配合されます。
 古来民間薬として、湿疹、蕁麻疹などの皮膚病に用いられ、下痢を止める効果もあるそうです。
 
1年に1度、桜の季節に花の下で次の1年のために、リフレッシュするのもよいものですね。
 

(掲載日:平成19年4月13日)