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歳時記


ビワ 枇杷(葉)
 
 職業のわからぬ家や枇杷の花  子規
 
 初夏、諸々の果物に先立って成熟するビワ、このビワにはこんな諺があります。
「枇杷黄にして医者忙しく、橘黄にして医者かくる」枇杷が黄色に色づく頃には病人が多く出て医者が繁盛すると言う意味です。そんなわけで、昔は暑気払いの妙薬として「枇杷葉湯」が盛んに作られ、庶民の薬として幅をきかしていたようです。
 
でも違った意味での枇杷の葉の秘められた一面を、記しておきます。
「禅師はビワの葉の光る側に墨でお経の文句を記し、火鉢でその葉を温めながら5分位患者の腹をさすった。
一時間も経つと、患者の布団はびっしょり小水でぬれて、畳までしみ通った。禅師が病人の腹を見てみろと言ったので、布団をまくってみると、お腹はぺしゃんこになっていた。腹水が尿となって排出したのであった。

現在の医学では考えられないことだが、私は実際にこの目でみたのである・・・・・・・・。ビワの薬効はまだ知られていない。解明されるべきものがあることは確かである。ビワが「薬王樹」と古くからよばれたのも無意味ではない。・・・・・・・・この文章は和漢薬7月号の記事の中に出てくるO先生のお父さんが、「ビワの葉療法」として有名な故河野禅師を招いて、腹水のたまった難病の病人(女性)にためしその折の残された一文です。
 


(掲載日:平成20年06月)