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歳時記


小暑と大暑を迎えて

 7月には二十四節気の小暑と大暑があります。今年は7月7日が小暑、そして7月23日が大暑にあたります。
 
 小暑の頃になると梅雨明けが近づくといわれています。梅雨前線の動きは、日本列島を少しずつ北上していきます。
 
 7月には、気温が高くなり、紫外線も強くなり、植物は大きく成長します。薬用人参の原植物として知られているオタネニンジンも、6~7月ごろ、白い花を咲かせて、その後に赤い実をつけます。このオタネニンジンは韓国の高麗人参や朝鮮人参として知られています。日本では、江戸時代に、長野県、福島県、島根県などでオタネニンジンの栽培が始まりました。一方、日本ではトチバニンジンという同属植物が各地で自生しています。オタネニンジンと同じように地下部を薬用としますが、オタネニンジンは直根性の根に由来するのに対し、トチバニンジンは横方向に竹の節状に伸びる根茎を用います。そのため竹節人参と呼ばれます。
 
 また立秋前の十八日間を夏の土用といい、今年は7月19日が土用入りで、8月6日が土用明けです。土用の丑の日には「う」のつくものを食べると元気が出るとされており、古くから「梅干し」や、平賀源内がきっかけを作ったとされる高価な「うなぎ」を食べる習慣があります。今年の土用の丑の日は、7月25日と8月6日の2日間です。
 
 7月下旬となり、大暑の頃は、一年の中で最も暑さが厳しくなる時期といわれています。梅雨明けと共に、強い日差しが照りつけ、本格的な夏がやってきます。
 

(掲載日:平成29年7月3日)