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歳時記


白露と秋分を迎えて

 9月には二十四節気の白露と秋分があります。今年は9月7日が白露、そして9月23日が秋分にあたります。
 
 白露の頃になると夏の暑さも少しやわらいできます。大気が冷えてきて露ができ始める頃とされています。田んぼや畑では、丹精込めて育ててきた米などの農作物が収穫の時期を迎えます。
 
 夏の間は、トマト、ナス、トウモロコシやスイカなどが主として流通していましたが、9月になるとナシやブドウ、クリなどの秋の味覚も市場に出回り始めます。昨年の夏には、台風の影響により北海道の南富良野町などで川が氾濫しました。農作物では収穫間近であったジャガイモが大きな被害を受け、結果としてポテトチップスの生産量にも影響が及びました。今年は多くの人々の尽力もあり、少しずつ復興しつつあるようです。
 
 9月初旬は、立春から数えて二百十日目にあたり、台風などの風が起こりやすく、昔から農作物の被害が発生しやすい時期にあたります。そのため、日本各地では被害に遭わないようにと祈りを込めて、お祭りが行われてきました。富山市八尾町では胡弓の音色で有名な「おわら風の盆」と呼ばれるお祭りが知られています。毎年9月1日から3日まで行われ、多くの観光客が訪れます。
 
 秋分の頃になると、昼と夜の長さが同じになり、暑かった夏にも終わりが来て、涼しい秋を感じられることが多くなります。旧暦8月15日の中秋の名月(十五夜)はこの頃です。年により、秋分の前後1か月の中で変動があり、今年は10月4 日が十五夜です。収穫の祝いと豊作を願って、満月にちなんで丸い形の月見団子、里芋、栗、大豆などをお供えします。秋は空気が澄んでいるため、月が美しく見えます。秋の夜は、虫の声を聴きながら、夜空を仰いで月を眺め、ゆっくりと過ごしたいものです。
 

(掲載日:平成29年9月5日)