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歳時記


大雪と冬至を迎えて

 12月には二十四節気の大雪(たいせつ)と冬至(とうじ)があります。今年は12月7日が大雪、そして12月22日が冬至にあたります。大雪の頃になると、本格的に雪が降り始め、水面には氷が張ったりします。また冬至は、冬の真ん中で、1年の中で最も昼が短く、夜が長くなります。師走の忙しい時期でもあり、車などの事故には十分注意したいものです。
 
 今年は約40年ぶりに国内でカワウソの生育が確認されました。すでに絶滅したとされるニホンカワウソではないかという期待がもたれました。ニホンカワウソは、かつて日本に広く棲息していましたが、良質な毛皮を目的とした乱獲や、生息地の開発などにより、絶滅したといわれています。
 
 今回発見されたカワウソについて、糞を採取し、DNAを分析した結果、ニホンカワウソではなく、韓国から海を渡ってきたユーラシアカワウソの可能性が高いことが判明したそうです。残念ながら、ニホンカワウソの再発見にはつながりませんでした。
 
 カワウソは小さな前足を器用に動かすことができ、また鋭い歯を持ち、ナマズやドジョウやカニ、その他の魚などを捕って食べます。群れで暮らす生き物で、水辺の穴などで生活しており、暗くて狭い静かな場所で眠る習性があります。さらに体毛が密集しており、毛の隙間に空気が入るため、水中でも体熱を保護しやすくなっています。そのため陸上に上がっても体が乾きやすいという特徴があります。
 
 また、カワウソの肝臓は、「獺肝」という薬として利用されます。金匱要略には、獺肝散が記載されており、肺結核様の症状に用いられたことが記されています。なお、獺肝は他の動物の肝と比べてかなり臭いがきついと言われています。
 

(掲載日:平成29年12月1日)