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歳時記


新種のサクラが約100年ぶりに発見される

 今年は、寒かった冬の後に、3月にはポカポカとした暖かい日が続いたことから、サクラのつぼみの成長が早まり、例年に比べてサクラの開花や満開の時期が早いようです。東京のサクラの標本木は、靖国神社境内にあるソメイヨシノです。サクラの開花の基準は、5、6輪の花が咲いた時とされ、花びらが開き、おしべの細長い部分がはっきりと確認できることが条件となります。通常は開花宣言が出てから1週間から10日程度で満開となりますが、気候が暖かい年には、この期間も短くなる地域もあるようです。
 
 代表的なサクラであるソメイヨシノは、現在、全国的に樹木の老齢化とともに、花が咲かない伝染病にかかるなどの問題が生じてきています。ソメイヨシノは、成長が速く、扱いやすいことから、これまで多く植えられてきました。しかし、近年は、病気に比較的強いジンダイアケボノなど他の品種に徐々に植えかえられている場所もあるようです。
 
 一方、今年は、新種の野生のサクラが国内で約100年ぶりに発見されたことが話題となっています。新たに見つかったサクラは、和歌山県を含む熊野地方で見つかったことから、クマノザクラと命名されました。この地域に自生するヤマザクラと比べて、花序柄が短く、開花の時期が早いのが特徴です。
 
 サクラは、いろいろな種や品種があり、地域や時代によって、様々なサクラが日本の人たちに愛されてきました。そのようなサクラも生薬として利用されています。江戸時代の医師である華岡青洲は、十味敗毒湯という処方を考案し、その中でサクラの樹皮である「桜皮」を用いています。現在の第17改正日本薬局方では、オウヒ(桜皮)としては、ヤマザクラ又はカスミザクラの樹皮を用いることが規定されています。
 

(掲載日:平成30年4月2日)