サフラン Crocus sativus L. アヤメ科
 
 サフランは古くから使われてきた薬草ですが、また、
サフラン
サフラン、平野一貫
薬用植物図譜、明治36年から
香料や食品にも使われてきました。使うのは花のめしべ
ですから、1輪の花からは、極少量しか採れません。30g
を集めるのに4000輪もの花が必要と言いますから、と
っても高価な薬草です。
 
 サフランの栽培は、日当たりと、水はけの良いところ
を選び、植える前に堆肥を入れてよく耕しておきます。
 植え付けは、球根ほどの間を開けて並べ、上から土を
かけておきます。
 
 
 サフランを鉢植えでつくるには、5号鉢で5、6球の球根を入れて、球が隠
れるように上から培養土を入れます。サフランは比較的乾燥にも強いのですが、
どちらの栽培も、土が乾けば十分に水を与えます。
 11月頃、花が咲き始めると収穫です。めしべの部分をピンセットで集めて、
日陰で乾燥します。来年も花を咲かせるために、花後に緩効性の化成肥料など
を与えて球根を肥大させます。
 
 しかし、プロのサフラン農家はこんな栽培はしません。秋になると球根を箱
いっぱいに詰め込んで栽培小屋で花を咲かせます。この方が花を集めやすく、
しかも天候に左右されないので、畑栽培よりもはるかに効率よく収穫すること
ができるのです。収穫を終えたサフランの球根は、直ちに畑に植えて肥大させ
てから、翌春に掘り上げます。
 
 この方法を真似て作ることもできます。球根を適当な容器に数個ならべて、
花の咲くのを待ちます。何の手入れをしなくても、サフランは球根の力で花を
咲かせますから、籠などに入れると、お店の飾りにもなります。
 収穫した後、球根を畑で栽培するのですが、来年も花を咲かせるような大きな
球根
な球根にするには、ちょっとした栽培のコツがいるよ
うです。でも一度挑戦してみましょう。
 
 球根は水栽培にも利用できます。また、球根を冷蔵
庫の野菜室に入れて、4週間ほど低温に置いたのです。
すると早く芽を出し始めました。このようにサフラン
はいろいろな育て方があって、花も栽培も楽しめます。
 
 


(2008年10月1日)