マンリョウ ヤブコウジ科
 
 園芸界で、十両、百両、千両、万両はお金の単位ではありません。園芸店に並んでいた
植物についていた名前です。植物名はそれぞれヤブコウジ、カラタチバナ、センリョウ、マ
ンリョウですが、昔から園芸の世界で使われてきた呼び名です。どの植物も今頃にきれい
な実をつけ、縁起の良い植物とされてきましたから、生け花や鉢植えにしてお正月の飾り
マンリョウ マンリョウの実
マンリョウとその実
によく使われます。
そんなことから毎年、
年の瀬から新年には
園芸店やホームセン
ターでたくさん売らて
れています。
 
 
 1月2月と言えば、一年のうちでも一番寒い時期なので園芸作業もお休みにして、炬燵に
入ってミカンを頬張りながら園芸カタログを眺めるのが良いのですが、最近のホームセン
ターは元旦から営業を始めるところが多くなり、園芸コーナーには早くも春植えの花苗が
所狭しと並んでいます。それを見るとゆっくり休んでいる訳には参りません。
 
 今月はマンリョウの鉢植えを一回り大きくして、きれいな鉢へ植え替えてみましょう。
馬子にも衣装とやら、数百円のマンリョウもちょっと高
級に見えてくるのです。
市販のマンリョウ
  市販のマンリョウ
 
 年末に売られていた実のなる植物の鉢植えは、寄せ植
えにする材料として使われることが多いのでビニール
ポットや小さなプラスチックの鉢に植えられているも
のが多いのです。それを一回り大きなサイズの化粧鉢へ
植え替えますと、お店や家の玄関に飾ってもきれいなも
のです。
 
 準備するものは一回り大きな化粧鉢、4号の鉢植えならば5号鉢が良いでしょう。市販の
園芸培養土か、いつも使っている鹿沼土、赤玉土、日向土を混合した培養土、それに鉢底
ネットなどです。
 まず新しい鉢の穴にネットを敷き、大粒の培養土を4分の一程度入れておきます。その
上に株をポットから抜いて根鉢を崩さないようにして置き、株の高さと位置を決めてから
隙間へ培養土を入れて行きます。
 たっぷり水を与えて出来上がり、しばらくは室内や霜の当たらない軒下などにおいて楽
しみましょう。もし培養土をすっかり入れ替えるときは4〜5月になって行います。この作
業は2〜3年に一度が良いでしょう。
 置き場所は木の下のような半日影が良く、肥料は春と秋に油粕と骨粉の固形肥料を数個
与えます。
 マンリョウは枝分かれすることがないので、剪定の必要はありません。
 
マンリョウは実生で簡単に増やせます。実を3月ごろ
マンリョウの実生
  マンリョウの実生
木から取って果肉を取除いてから、赤玉土の小粒を鉢に
入れた培養土に蒔きます。少し覆土をして乾燥させない
ように管理します。たくさん蒔くと発芽したときに混み
合いますから適当な間隔で蒔くとよいでしょう。
 発芽後は薄い液肥などを与えます。葉が数枚になれば
小さな鉢へ1本ずつ植え替えます。
 
 マンリョウには赤実の他に白実や黄実、葉の斑入りなどがあります。

(2011年01月1日)