チョロギ シソ科
 
 チョロギは中国原産のシソ科の植物です。夏の頃にシソ科特有のかわいい小
さな花をたくさんつけますから、栽培しても楽しめます。
 チョロギは草石蚕と書かれていることもあります。根の先に出来る塊茎が蚕
の姿に似ているからつけられた名のようです。また、チョロギは長老喜や丁呂
木、ネジリイモ、ホラガイイモなどの風変りな名がついています。
 チョロギの塊茎は食用として食べられるのですが、市場に出回ることが少なく、
普段はあまり見ることはありません。主にお正月料理や祝い事の料理などで使
われます。本来、塊茎は白いのですが、
チョロギの塊茎
   チョロギの塊茎
ほとんどは梅酢や食紅で赤く着色した
ものです。
 
 種球は今頃、園芸店やホームセンター
で小袋に入ったものが販売されていま
すから手に入れることができます。売ら
れていた種球は木屑と一緒にビニール
袋に入っていました。
 
 チョロギは寒さにも強く丈夫な植物です。畑に植える場合には深さ5センチ、
株間20センチほどに植えます。この時、新芽の出る方を上、あるいは横向きに
して置きます。
 植えつけの際には元肥として堆肥と少量の油粕や化成肥料を与えておきます。
また、成長に伴って、化成肥料や液肥を与えます。
 
鉢植えの場合は、やや大きめの鉢、5,
チョロギの鉢植えの完成
  チョロギの鉢植えの完成
6寸以上の鉢へ植えた方が収穫量は多
くなります。土質は選びませんから手に
入る畑土や市販の園芸培養土を用いま
す。そして、土にはあらかじめ少量の緩
効性肥料などを混ぜておきます。
 
 まず、鉢底ネットを入れてから水はけ
よくするために大粒の培養土を少し入れ
ます。
種球は土の表面から4,5センチほど下の位置にくるように、先にそのあたりま
まで土を入れておきます。その上に新芽が出る方を上にして種球を置きます。さ
らに鉢の縁まで培養土を入れてから、鉢底を下へ軽く打ちつけて培養土を落ち
着かせます。
 十分に水をやり、日の当たるところで管理します。
 
 収穫は秋ごろ、株の周りを大きくクワなどで掘り起してから、竹べらなどで
塊茎を掘り取ります。鉢植えでは土を鉢から全部出します。
 球の周りの土を落とすには桶などに入れて、水を加えてかき回すと土がきれい
に落ちます。
チョロギの梅酢漬け
  チョロギの梅酢漬け
 
 チョロギの塊茎の主成分はスタキオ
ースで、乾物では60%ほども含まれて
いて消化が良いそうです。
 収穫したチョロギはシソを入れた梅
酢に入れると赤く色づいてきれいに仕
上がります。
 食べるとパリパリとした食感がとて
もおいしく感じるのです。
 また、そのままで炒め物や汁の実などに利用してもおいしいものです。

(2012年3月1日)