シャクヤク ボタン科
 
 シャクヤクは春早くに新芽を伸ばして、初夏のころに花を付けます。花が終
わっても葉は秋まで残っています。きっと栄養分を根に送っているのでしょう。
そして、冬になると地上部が枯れるの
園芸店で見るシャクヤク苗

園芸店で見るシャクヤク苗
でシャクヤク畑では枯れた葉だけが目
に付きます。でも地中には来年に伸び
る芽が大きく膨らんで春を待っている
ようです。
 
 シャクヤクの株分けなどの作業は秋
頃に行われます。それで毎年そのころ
になるとビニールで巻かれた苗が園芸
店に並びます。
 先日、ぶらりと立ち寄った園芸店で
ビニールで包まれた苗

ビニールで包まれた苗
シャクヤク苗がたくさんありました。
植え替え時期には少し遅いかもしれま
せんが、2株を購入して鉢植えと、庭
に1株を植えてみることにしました。
 今月に入ると品種によっては根が活
動を始めているかもしれないので、で
きるだけ株の周りの土を崩さないよう
にして植え替えます。
 
 シャクヤクは、数年間は植え替える必要がないので、できれば庭へ植える方
が良いのです。場所は日のよく当たる、水はけのよいところを選んで植えます。
数多く植えるときには株間も70〜80?ほどと広くとって植えます。
 まず、株よりも大きな穴を掘り、堆肥などを入れてよく混合しておきます。
穴の中央に株を置いて、赤い芽が土の表面から3?ほど下になるように植えま
す。
 シャクヤクは多肥を好みます。肥料は緩効性の肥料を株の周りに1握りほど
を与えておきます。また、春の新芽の伸びるころと、花後にも1握りほどの肥
料を与えます。
 
 シャクヤクを鉢植えで栽培するときは、8〜10号程度の大きな鉢を用います。
培養土は市販の園芸培養土、あるいは赤玉土と鹿沼土、日向土の等量混合した
土に、腐葉土か堆肥を2割ほど加えた培養土を用います。
 
 まず鉢穴に鉢底ネットを入れてから大粒の培養土を鉢の4分の1ほどまで入
れます。それから小粒の培養土を少し
赤い新芽が土の下になるように植えます

赤い新芽が土の下になるように植えます
入れてから、シャクヤク苗を鉢の中央
に置き、残りの培養土を入れます。赤
い芽が土の表面から3?ほど下になる
ようにします。
 肥料は緩効性の化成肥料を株の周り
にスプーン1杯ほどを2,3か所に分
けて与えます。肥料は庭植えの時と同
様に新芽の伸びるときと、花後にも与
えます。
 
 シャクヤクは寒冷地でも暖地でも、日本各地で栽培することができます。1
度植えておきますと、数年間は植え替えすることもなく、毎年、豪華な花を楽
しむことができます。
 シャクヤクの苗を手に入れるには、10月頃から園芸店や量販店に出回るので
買うことができます。また、大手通信
シャクヤクとボタンの交配種の花

シャクヤクとボタンの交配種の花
販売会社などから買うことができます。
 カタログにあるシャクヤクは、原種
シャクヤク、日本シャクヤク、中国シ
ャクヤク、洋種シャクヤクと、いろい
ろな品種がありました。また、1958年
に谷口氏によりシャクヤクとボタンの
ハイブリッドが発表されましたが、今
ではその交配種も15品種ほどあるよう
です。
 シャクヤクは春になると力強く新芽を伸ばして、やがて大きな花を咲かせま
す。気に入った花色のシャクヤクを栽培するのは楽しいものです。
 

(2012年12月1日)