オウレン キンポウゲ科
 
 先日、山の斜面一面にオウレンの花が咲いた情景がテレビで報道されていた。
オウレンの花は今が見ごろだという。
 オウレンは白色で5弁のかわいい花をつける。花は長い期間咲いていて、そ
の上、咲いた後の実の付いた風景もなかなか風情がある。
 
オウレンの花 オウレンの花  
 
 薬用のオウレンは林間栽培や、畑栽培でも遮光した下で栽培されるから、光
量が弱く、一度にたくさんの花が付くことは無い。それで花の咲いているのを
見つけた時は見とれてしまう。
 オウレンを鉢に植えて観賞用に栽培しているが、つぼみが見えてから花が咲
いて、果実がはじけるまで、実に長い期間に亘って楽しめる。
 
 オウレンには種類がたくさんあって、薬用にはセリバオウレンやキクバオウ
レンが栽培される。そして丹波オウレンとか、越前オウレンのように産地によ
って名がつけられている。
 この他にも山に自生していて、花がウメの花に似ている梅花オウレンがある。
この仲間は根茎が細くて、薬用には使われないが、草姿が小さい割には大きな
花を咲かせるから、観賞用として鉢に植えて楽しむ人も多い。
 山野草を取り扱う店では、キクバオウレン、セリバオウレン以外にもコセリ
バオウレン、北山オウレン、日向オウレン、越路オウレンなどのようにたくさ
んの種類のオウレンが売られている。いろいろなオウレンを園芸植物として、
産地、花や葉の大きさや形の違いで分類してあるようだ。
 この他にも中国産の三つ葉オウレン、丸葉オウレン、青花オウレンなどの名
で数品種売られていた。
 
 オウレンを入手するには春先の今頃が最も良い時期で、花の付いた鉢植えが
市場にたくさん流通しているからである。
 花を楽しんだ後に株分けや植え替えをするとよい。売られている苗はビニー
ルポットに植えたものが多いから、化粧鉢に植え替えると見栄えもよくなる。
 
 オウレンは草姿が比較的小型であるから、鉢は3〜4号のものが良いだろう。
浅型の山草鉢などがよく似合う。
 培養土は赤玉土、日向土、鹿沼土の等量混合した培養土を用いる。植える前に
篩で小粒、中粒、その他のように粒の大きさを選別して置く。市販の培養土は
小粒、中粒、大粒に分けて売っているのがあるから、それを適当に組み合わせ
て用いてもよい。培養土が少量だけほしい場合は、園芸店で取り扱っている山
野草用の培養土を用いるのが便利である。
 
オウレンを株分けする 植え終えたオウレン  

オウレンを株分けする時、あまり小さく分割しないで数株寄せて植える方が見栄えが良い

 
 鉢底ネットを鉢穴に置き、水はけよくするために大粒の培養土を少量入れる。
そして中粒の培養土を鉢の半分ほどの高さまで入れる。次に小粒の培養土を少
量入れてから、その上に株を置いてみて植える位置を決める。最後に小粒の培
養土を株の周りや隙間に入れながら株が落ち着く様にする。
 植え終えた株が活着するまで日陰に置く。ずっと日陰で栽培すると花の付き
方が悪いから、置き場所は午前中、日が当たるところが理想的。
 オウレンは少し湿度のある方が良いので、鉢植えはあまり乾燥させないよう
に、過湿にもならないように水やりには注意が必要。
 肥料は春と秋に緩効性化成肥料を少量与える。それに時々薄い液肥を与える
のもよい。植え替えは2〜3年に1度でよい。
 

(2014年3月1日)