ニシキギ ニシキギ科

 紅葉がきれいな季節となりました。テレビの天気予報を見ていますと、日本全国のい
ろいろな紅葉を知らせてくれます。紅葉前線が北から南へ、高い山では頂上から裾野へ、
日に日に下りて来る様子が分かります。
 紅葉と言っても黄、赤、茶色など樹種によって様々です。中には一本の木で緑色から
黄色や赤色に変化する七色カエデなどもあるようです。
 夜温が8℃以下になると木々の紅葉が始まるそうで、そして、昼と夜との寒暖差が大
きいほどきれいに紅葉すると気象予報士の人が話していました。

 ニシキギはモミジなどと共に紅葉が美しい木として知られています。ニシキギの仲間
のコマユミの紅葉もとてもきれいです。ニシキギとコマユミとの違いは枝に翼が有るか
無いかの違いです。すなわち、ニシキギの枝には翼が有り、これが両者を区別する特徴
です。
色づき始めたニシキギとコマユミ
 色づき始めたニシキギとコマユミ
色づき始めたニシキギとコマユミ

 今月はニシキギの取り木をしてみることにしましょう。
 今まで草木の増殖方法は、主に挿し
キンミズヒキの花
木を行ってきました。この方法は多量
に増やすことができてとても便利な方
法です。しかし、挿し木では容易に根
が出ない場合や、貴重な樹種の繁殖で
多量に穂木が得られない場合などに取
り木が行われます。

 取り木には高取り法、圧條法、盛り
土法があります。
 高取り法は発根させたい部分にミズゴケを丸く球状に巻きつけます。乾燥しないよう
にミズコケの周りをビニールで巻いて、その上下をひもで縛っておきます。
 ニシキギの場合は6月頃が適期です。
 発根させたい部分の枝の周り1?ほどの皮をナイフで取り除いておくと一層発根し
やすくなります。発根するまでの間はコケが乾燥しないようにビニールの上側を開けて
時々水を追加しておきます。よく観察しているとミズゴケの外側まで根が伸びてきます。
 根が数本以上伸びてきたのを確認したら、親木から切り離して植えつけます。

 圧條法は地面に近くに出ている枝を曲げて土中に伏せ、土の中から発根させる方法で
す。時期は木が活動を始めるころが良いので春先です。
 枝を大きくU字形に曲げて土に着くようにします。土に着いた部分は浮き上がらない
ようにU字に曲げた針金で押さえます。そして、その上から土をかけて覆っておきます。
 秋ごろにそっと土を取り除き、発根していることを確認してから親木から切り離して
植えつけます。
枝を土に伏せた様子 発根した状態

 枝を土に伏せた様子と発根した状態

 盛り土法は枝を地際近くで切りとり、その上まで土をかけておきます。やがて土の中
から新芽が出るのを待ちます。もし芽が出ていても土の中で発根していない場合は、根
が出て来る部分を細い針金でややきつく縛っておきます。そして再び土をかけておきま
すとその上側から根が出て来ることがあります。十分根が出ているのを確認したら親株
から切り離して植えつけます。

(2014年11月1日)