| の寄せ植えにも使われている。花がタンポポに似ていて、葉がフキのようで、 |
| 地下茎を伸ばして繁茂する。花はフクジュソウのように日が当たらないと開か |
| ない。毎日、日が当たると開いて夕方になると閉じる。葉は花が終わってから |
| 展開するから、これもフクジュソウと似ている。 |
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| フキタンポポは明治の中ごろに日本に入ってきたらしい。薬用植物でもある |
| から栽培書を調べるのだが、栽培方法を詳しく書いたものは見当たらない。 |
| みねはな会の山野草栽培全書には、フキタンポポが日本に導入されるように |
| なったのは、富樫氏がフランスの知人から種を導入して大量に栽培して普及さ |
| せたからとある。 |
| ヨーロッパが原産地のようで、自生地では雑草のように繁茂しているそうだ。 |
| 丈夫な植物であるのだろう。しかし、売られているポット苗は、根が切られて |
| 花芽だけであることが多い。 |
| 今までにもポットに入った苗を買ったことがあるのだが、いつも枯らしてい |
| た。苗を買うときは、できるだけ株が大きくて元気な株を選びたい。 |
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| さて、購入したポットのフキタンポポは多分、今頃は花が咲きだしているこ |
| とだろう。でもできるだけ早くに庭へ、あるいは植木鉢に植え替える方が良い。 |
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| 庭植えは、夏の強い陽光を避けるために落葉樹の株元に植えるのが良いと思 |
| う。植える位置が決まれば堆肥や腐葉土を入れてよく混合しておく。地下茎を |
| 伸ばして繁殖するから、数株植えるときは株間にゆとりを持って植える。 |
| そして、たっぷりと水を与える。今は必要ないが、春暖かくなって根が伸び |
| 始めるころに肥料を与える。 |
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| 鉢に植えるときは地下茎が横に伸びるから、初めから少し大きい鉢に植える。 |
| 8号の丹波鉢へ植えてみたが駄温鉢やプラ鉢でもよい。まず鉢底ネットを入れて |
| から大粒の鉢底石を少量入れて、その上にいつも使う混合培養土、あるいは市 |
| 販の園芸培養土を鉢の半分程度まで入れる。ポットから取り出したフキタンポ |
| ポの苗を置いてみて、配置を決めてから花芽が土から出るようにして残りの培 |
| 養土を加える。水は鉢底から出るまでたっぷり与えておく。 |
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| フキタンポポは寒さには強いが、植え替えたばかりの鉢は軒下や木の陰に置 |
| く。冬の間はよく日の当たるところがよい。日が当たらなくても、曇り日のと |
| きでも花は開かない。 |
| しかし高温には弱いから、暑い夏の間は涼しい木陰に鉢を移動する。 |
| 花が終わると葉と根を伸ばし出すから、液体肥料や緩効性化成肥料を規定量 |
| 与える。 |
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| 薬用には花蕾を用いる。去痰、鎮咳、利尿に煎じて服用する。 |