「ウドの大木」という言葉があるが、ウドは茎が太くても中は中空で柔らか |
い。だから大きくても役に立たない例えに使われる。ところが実際には茎は美 |
味しいし、薬用にもなると言う訳で庭に植えている。しかし普通に植えておい |
ても土から出てくる新芽は短くて食べるところが少ししかない。 |
市場に出回っている軟化ウドは、畑から株を一旦掘り上げて地下に掘った室
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の中で作るらしい。地下室は暗黒で、温度と湿度が安定していて、ウドの軟化 |
栽培に最適らしい。しかしこの方法は簡単に真似ができないから軟化栽培は半 |
ばあきらめていた。 |
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長野の知人宅を訪ねた時の昼食で、ウドの酢味噌和えがたくさん出てきた。 |
聞くとウドは裏の畑でたくさん作っているという。早速畑を見せていただくと、 |
稲藁で三角形の帽子を作って株全体に覆いかぶせて栽培していた。それからは |
この方法を真似ていた。 |
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ある時、TVで京野菜の栽培地を紹介する番組があって、その中に野菜をト |
タン板で株の周りを囲って栽培する方法があることを知った。 |
そうだ、ウドの栽培にもこの方法を真似るとうまくできるのではないだろう |
かと考えた。 |
早速、ホームセンターで畔板を買ってきて、それを円柱にしてウドの栽培に |
使うことにした。ウドの株の上に円柱の畔板を置いて、その中には土の代わり |
にもみ殻を上まで入れた。この方が土よりも出し入れが簡単であると考えたか |
らだ。時期もちょうどウドの芽が伸びる前であったから、どうにか今年の栽培 |
に間に合った。 |
暖かくなるとウドが成長を始めたようで、中のもみ殻が急に上に膨らんでき |
た。やがてウドの新芽が見えるようになった。そこでもみ殻を取り除いてみる |
と、見事に成長したウドが数本も現れた。株際からポキリと折って、再びもみ |
殻をもとのようにかけておいた。すると同じようにしてもう一度収穫すること |
ができた。 |
でも二回目は全部を取らないで新芽を2,3本残して置くようにする。そして |
来年も収穫できるように化成肥料を与えておくとよい。 |