ツルリンドウ リンドウ科

 北海道から九州までの山地に自生 樹林下に生えるツルリンドウ
樹林下に生えるツルリンドウ
しています。山では樹陰下の腐葉土
の上などにぽつりと生えているのを
見ることがあります。
 株から細い茎を伸ばして近くの枝
に巻きついたり、あるいは地面を這
って生長します。
 夏の頃、薄紫色で筒鐘形の花をつ
けます。そして秋には大きな赤い実
をつけます。

鉢植えのツルリンドウ
鉢植えのツルリンドウ
 まるで宝石のような赤い大きな実はよく
目立ちますから、山を歩いていてもこの
実からツルリンドウを見つけることがあ
ります。

 ツルリンドウが好きで数年前から鉢植
えにして栽培を楽しんでいます。花は2,
3日と短い寿命ですが、たくさんつぼみを
つけるので次々に咲いてくれます。
 そして咲き終わった花の後に実が膨らんできます。この大きな赤い実がつい
たツルリンドウの草姿は中々風情があってよいものです。つぼみの時から花が
咲き、実ができるまでの長い間楽しめるのもツルリンドウの特徴です。
実がなり始めた様子
   実がなり始めた様子と赤い実
赤い実
 栽培は4〜5号の浅鉢に植え、朝顔支柱に絡ませた行燈づくりにするのが良い
でしょう。また、枯れ枝などに絡ませても野趣に富んで乙なものです。
 自生地では樹林下の日陰地に生えています。暑さには弱いようなので、鉢の
置き場所は遮光率50%のダイオネットで年中遮光した棚に置いています。植え
替えは2,3年に一度でよいでしょう。赤玉土、日向土、鹿沼土の等量混合培用
土に少量腐葉土を加えた土に植えます。市販の園芸培養土でもよいでしょう。
肥料は春に緩効性の化成肥料を与えます。

 ふやし方は5,6月頃、茎を切ってさし芽をします。用土は小粒の赤玉土か鹿
沼土、あるいはその等量混合土が良いでしょう。その時に切口に発根剤をつけ
ると発根率が良くなります。初めのうちは霧吹きで噴霧したり、ビニールで覆
うなどして鉢の周りの空中湿度が高くなるようにするとよく活着します。

 また、本には種を蒔いて増やす方法が書いてありました。
 秋の終わりごろに赤い実を揉んで中から種子を取り出して蒔きます。1つの実
には30粒ほどの種子が入っているそうです。用土は小粒の赤玉土を用います。
 春になると発芽しますが遅いのは夏ごろに芽を出すものがあるようです。
 苗には規定の濃度よりも薄めた液肥を時々与えます。順調に生育すると秋に
は5?ほどにも生長するようです。翌春、4〜5号の大きな鉢へ植え替えます。
すると茎を伸ばして花を付けるまでに大きく成長します。
 まだ種を蒔いたことがないので、今年はこの方法で播種にも挑戦しようと考
えています。

 薬用部分は全草、秋ごろに掘り取り乾燥して用います。黄疸、関節痛、回虫
駆除などに効果があるといいます。

(2015年8月1日)