| アケビ アケビ科 |
| アケビを2m四方で、高さ1.8mほどの棚を作って栽培している。この時期になると棚 |
| 全部を覆いつくすようにツルを伸ばしてたくさんの花を付ける。花はかすかな香りがして |
| たくさん咲くときれいなものである。 | ![]() |
| アケビは雌雄同種で、葉の間から花序 | |
| を伸ばして基部に雌花を、先の方には雄 | |
| 花を数輪つける。雄花よりも雌花の方が | |
| 大きくて直径が2~3㎝ほどにもなる。 | |
| 一つの花序に雄花と雌花をつけるから、 | |
| 一目で両者の違いが分かる。 | |
アケビの雄花と雌花 |
アケビには別にミツバアケビがある。花 |
| の色が濃い紫色をしているから花を見れば | |
| 違いが分かる。それに三つ葉アケビは小葉 | |
| が3枚で、アケビは5枚付くから花が無く | |
| てもその違いが分かる。 | |
| また、一部の地域にゴヨウアケビが知られ | |
| ている。アケビとミツバアケビとの雑種で | |
ゴヨウアケビの雄花と雌花 | |
| 小葉は5枚あるが、花はミツバアケビに似 | |
| ている。 | |
| アケビの苗が市販されているから栽培 | |
| して花や実を楽しむことができる。最近は | |
| バナナアケビや紫水晶、桜貝と言った品種 | |
| もあるらしい。秋の頃には実をつけた鉢植 | |
| えが園芸店に並んでいて、果樹の仲間入り | |
| をしたようである。 |
| 栽培は、アケビがよくツルを伸ばして広がって行くから棚づくりや垣根づくりが良いが、 |
| 鉢植えもできる。丈夫でほとんど放任して栽培しているが、管理は伸びすぎた枝を切る程 |
| 度である。 |
| 同一株の受粉は落下しやすいから、実付をよくするには異なる品種を混植するか、人工 |
| 授粉を行う。 |
| 株を増やすには挿し木で容易に増やすことができる。梅雨の頃に伸びた枝の中間部を2 |
| 葉をつけて10㎝ほどに切りとり赤玉土や鹿沼土へさし木をするとよい。このとき発根促 |
| 進剤をつけると効果がある。 |
| 他には実生や取り木でも増やせる。長く伸びたツルの一部を土に付くようにしておけば |
| そこから発根する。それを親株から切り離せばよい。 |
| 肥料は新芽が出る前に油粕と骨粉や緩効性化成肥料などを与える。 |
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| 病害虫もほとんどないが、夏ごろ、一度ア | |
| ケビコノハが付いたことがある。この蛾の幼 | |
| 虫は側面に目玉のような大きな黄紋があっ | |
| て、その静止している姿が独特であるからす | |
| ぐに分かると思う。初めて見た時はあまりの | |
| も滑稽な姿なので駆除することをためらっ | |
| たほどである。 | |
| 果実の中の果肉は甘くておいしいが、少々 | |
| 種が多いのが難点。種を吐き出しながら食べ | |
| なければならない。 |
| アケビは果実の他に新芽も食べられる。茹でて醤油をかけて、また、ゴマやクルミ和え |
| もおいしい。果肉を食べた後の皮を天ぷらにして食べられる。 |
| 鞍馬山の名産、木芽漬けはアケビの若葉とスイカズラの葉とを塩漬けにしたものらしい。 |
(2016年4月1日) |

