ほんの数日前までは、卒業式や配置換えなどで、人との別れを惜しんでいたのに、新年度がはじまるとともに新た

な出会いが始まりました。

そして、気が付けば、戸外は大層にぎやかになっていました。

木の上では、黄色のレンギョウや桃色のサクラがもう満開に近く、白い大きなモクレンの花、紫のシモクレン。下を見

れば土の上には白いハコベ、薄紫のオオイヌノフグリ、またある場所にはツンとしたつくしんぼ。

これらは、今咲いたものばかりではありません。順番に咲き始めていたはずです。

それに気づかなかったのは、ここ何週間、私は心を亡くしていたのだと思いました。

日本といえば、「サクラと富士山」が有名です。

今年は例年になく暖かい日がつづき、サクラも早くから咲きはじめていました。

このお天気のおかげで、1年半日本に滞在し、13年度の最後の日に母国へ戻られる先生(植物学者)をサクラの

花の中で、見送ることが出来ました。

サクラの幹の皮は、「桜皮」と称され体内の毒素を排出する処方「十味敗毒湯」に配合されています。中国からの

処方が多い中、「十味負毒湯」は紀州の華岡青洲が考案した処方であり、「桜皮」は日本独自の薬物です。