秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば、萩、薄、葛、なでしこ、女郎花、藤袴、桔梗の七種の花がある。

と『万葉集』で山上億良が詠んでいます。

そろそろ、秋の七草が順に咲き始めるシーズンになりました。

(とはいってもキキョウやハギの花はずっと前(7月半ば)に咲いてしまっていますが。)

先日、見事に咲いているオミナエシの花と明日にでも咲きそうな葛の蕾を目にしました。

「小さい秋、見つけた」といった感じです。

オミナエシの花は、鮮やかな黄色の小さい花がたくさん集まって咲き、それはとても美しいのですが、

やや特異な臭いがあるため、誰にでも好まれる花ではないかもしれません。

オミナエシの生薬名は、敗醤草で根に腐敗した豆醤のような臭いがあることからその名があるそうです。

秋に根を掘り、水洗い後、日干しにして乾燥させたものを消炎、排膿、駆オ血薬として、腫れ物や、むくみなどに

使用する処方に配合され、また、乾燥した全草はそのまま煎じて服用します。