突然、後ろの方でガサっと音がしたことに驚き、あたりを見回しますが、誰もいません。

黄色くなったイチジクの葉は、ちょっと触れるだけで、ちょっとした風で、わずかな音を

伴ってハラリと落ちてしまいます。ほとんどの木は、棒のような枝に熟し切れなかった

緑の果実だけを残しています。イチジク農園では、8月中頃から赤く熟し続け、つい最近

まで出荷されていた果実がそろそろ終りに近づき、1本1本の木に虫がいないか、痛んで

いないか、と念入りに点検され、余分な枝は切り落とされ、来年のための冬支度に入り

ました。

山ではすでに初冠雪が知らされ、平地の気温は10℃に達しない日が多くなりました。

熊はそろそろ冬眠の準備に入っているようです。

ヒトは冬のコートや靴を買いそろえ、車の冬タイヤを用意して、冬の活動に備えます。

寒い時期はじっと篭って春を待つ。そんな冬支度をしてみたいような気もします。

イチジクの花は、外部から見ることはできず、まるで花をつけることなく果実が熟

するようにみえることから「無花果」の名前があります。果実は消化を促進して下痢

を止め、解毒して腫れ物を治し、痔や咽喉の痛みによいとされています。