色には、菫色、木賊色、橙色、空色など、花や草や木や自然を表現した名が非常に多い。

紅色でも、やわらかな薄紅色を「さくら色」といい、それよりも濃く明るい紅色を「もも色」と

それぞれの花びらに見立ててそう呼ばれます。

桜の開花期は冬とは明らかに異なる温度感であり、花に蜜を求める昆虫たちの羽化に連動し、

その昆虫の幼虫を食べる鳥の活動にも連動します。

この頃から自然は一斉に、急激に活動を始めます。

例年よりもやや遅れて、数日前に、東京で桜の開花が宣言されました。満開には数日間を

要することでしょうが、そのうちにあちらこちらで、「さくら色」の大きな塊を幾つも幾つも見る

ことができるでしょう。

桜の幹の樹皮は、日本独自の生薬「桜皮」で体内の毒素を排出する処方「十味敗毒湯」

に配合されています。

また、お祝いの席で塩漬けの花を浮かべる桜湯は、見た目や縁起物というだけでははく、

宴会料理に出される魚の毒消しや悪酔い防止を配慮したものであり、葉は胃腸の働きを

整える作用があるといわれています。

これから順次、各地で執り行われる入学式には、花屋にならぶ色とりどりの

スィートピーやフリージアよりも、桜の花が一番よく似合います。