葛はやせた土地でもたくましく、太陽を求めて木に絡んで上に上に伸びてそのうちに木を覆い、塀垣を覆い、絡みつくものがなければ地を這って歩道にまで進出するなど、強力な繁殖力を持っています。

3つに分かれた大きな複葉の間から、総状につけた、紫赤色のマメ科特有の蝶形花がいくつも見えます。

ある人は、炭酸入りのグレープジュースのにおいがする花といいます。

鼻を近づけてもはっきりとはわかりませんでしたが、

美味しそうな匂いを放っているようにも思えました。

乾燥した葛の花は、アジア諸国で「酒毒を消す、渇きを止める」の目的で、二日酔いの嘔吐やその予防に民間薬的に用いられます。

生の花は、塩ゆでして酢のものにすると見た目美しく、おいしく、食事も進みそうです。

葛の根は、生薬名葛根(カッコン)で、発汗、解熱、鎮痙、緊張緩和作用を有しており、葛根湯などの処方に配合されています。

葛の花も盛りを過ぎ、そろそろ秋を感じ始める今日この頃です。