葵祭は京都三大祭のひとつで、わが国の祭のうち最も優雅で古趣に富んだ祭として知られています。

平安朝の優雅な古典行列は平安貴族そのままの姿で列をつくり、京都御所を出発、総勢500名以上の風雅な行列が下鴨神社を経て、上賀茂神社へ向かいます。

賀茂御祖神社(下鴨神社)と賀茂別雷神社の例祭で、5月15日に行われ、古くは賀茂祭、または北の祭りとも称し、平安中期の貴族の間では、単に「祭り」と言えば葵祭のことをさすほど有名でした。

賀茂祭が葵祭と呼ばれるようになったのは、江戸時代の1694年(元禄7)に祭が再興されてのち、当日の内裏宸殿の御簾をはじめ、牛車(御所車)、勅使、供奉者の衣冠、牛馬にいたるまで、すべて葵の葉で飾るようになって、この名があるとされています。

さて生薬には葵の字を含む、冬葵子や天葵子がありますが、アオイ科アオイの茎葉・根・花・子実などが薬用に用いられています。なかでも、子実が冬葵子(トウキシ)として漢方処方に用いられます。(ただ最近、市場で流通しているのは、アオイ科イチビの種子になっています) またアオイ科ウサギアオイの茎葉は兎葵の名で解毒・止痛に用いられました。

頭文字が冬から天に換わった天葵子はツルムラサキ科ツルムラサキで、別名落葵とも言いますが葵とはまったく無縁なものです。まったく無縁なものに、竜葵(ナス科イヌホオズキの草木、果実)もあります。