秋は果物がおいしい季節です。8月の下旬頃から果物売り場にはたくさんのナシが並ぶようになりました。

ナシは食べたときのみずみずしさとシャリとした砂のような食感が特徴的です。この食感は、果肉中に含まれる石細胞によるものです。

ナシは日本では皮をむいて生のまま食べるのが一般的ですが、ナシに含まれる酵素には肉を軟らかくする作用があるので、韓国では肉料理によく使います。韓国ドラマ『宮廷女官チャングムの誓い』の中で料理を作る場面には度々ナシが登場していました。

また、ナシは咳や喉の痛みに効果があります。『東医宝鑑』を著した朝鮮の医師許浚(ホジュン)を描いた韓国ドラマ『ホジュン』の中では、咳によく効くとして許浚の母親が作ったナシ汁が登場します。韓国ではこのドラマを放映した後、ナシ汁の売り上げが伸び、在庫が底をつくほどの人気となったそうです。日本ではナシの黒焼きを同じように咳に使うという民間療法があります。

ナシの漢字「梨」は「利」と「木」の組み合わせからできています。その字からもわかるように、ナシは体の余分な熱を去ることにより「大小便を利する」作用が強いです。一方で、胃腸の弱い人は食べすぎないように注意が必要です。