立冬を過ぎ、冬の気配が感じられるようになってきました。北海道では雪が降り、各地の山からは初冠雪のニュースが伝わってきています。これからは日が短くなり、気温も低くなっていきます。寒い季節を乗り切るための冬支度はもうお済みでしょうか。

寒い冬の夜には、布団の中に湯たんぽをいれると温かく眠ることができます。湯たんぽは古くから身体を温める道具として使われてきましたが、電気毛布などの普及もあり、一時期あまり使われなくなっていました。しかし、容器に湯を入れるだけで使えることから、ここ数年は、環境に優しい道具として見直されてきています。

湯たんぽの「たんぽ」とは中国語の発音に由来するという説が有力です。中国では「湯たんぽ」のことを「湯婆子」と言います。その「湯婆」の中国語の発音は「tang-po」であり、日本語のカタカナで表記すると「タンポ」となります。つまり「湯」を入れて使う「タンポ」ということから「湯たんぽ」となったようです。

湯たんぽは布にくるんで使うので、手でふれてもさほど熱くは感じませんが、就寝中で直接身体に長時間触れていると低温火傷になることがあるので注意が必要です。低温火傷は身体の深い部分の組織まで火傷の部分が達することから、治療しにくく、また痕が残ることがあります。火傷には、華岡青洲が考案した「紫雲膏」が効くといわれています。