新そばが美味しい季節となりました。

そばは冷涼な気候の中で生育し、山間の痩せた土地での栽培が可能な植物です。また、播種してから75日間程度で収穫できることから、古来、米や麦などの凶作に備えた救荒作物としても栽培されてきました。

そばを食べる時には、味とともに香りが重要であり、新そばの香りは格別であるといわれます。そばの香りは、粉末にする際に熱が加わると失われやすいため、石臼を用いて粉に挽くなど、熱の発生を抑えるために細心の注意を払っているお店もあります。

そば通とよばれる人たちが、そばの香りを楽しむために、ざるそばなど冷たいそばを良く噛まずに食べることがあります。しかし、これは消化に悪いため、よく噛むことに加えて、葱、わさび、大根おろしなどの薬味を添え、消化を促すことが必要です。

また、そば湯もそばの消化を助けるといわれています。江戸時代の『本朝食鑑』には、そばを食べる際の注意事項として、「そば切を食べた後、そば湯を飲まないと、中を傷つける」ことや「そばを食べ過ぎて腹が飽脹した場合に、そば湯を飲むと害はない」と記されています。科学的には、そばをゆでた後のそば湯には、血管を丈夫にするルチンなど水溶性の成分が溶出することが知られています。そのため、そばを食する時には、そば湯を飲んだ方が体に良いとされています。

中国では、水餃子を食べた後に、そのゆで汁を飲む習慣があります。日本におけるそばと同様に、ゆで汁には消化を助ける作用があると一般的に言われていることは興味深いです。