6月4日は虫歯予防の日です。昭和3年に初めて実施されて以来、すでに80年以上が経過しています。現在では,この日から1週間が「歯の衛生週間」として定められており、日本全国で歯の衛生について普及啓発するための活動が行なわれています。

虫歯の多くは、歯のまわりに付着した食べかすの中にあるデンプンが細菌によって発酵分解されることにより,歯の硬い組織が破壊されて生じます。そのため虫歯を予防するには、食後に歯を磨いたり、口をすすいで食べかすを取り除いたりするだけでも効果があるようです。虫歯は治療薬よりも、予防薬の方が適しています。近年、販売されている歯磨き粉には、甘草の成分を入れたものや、プロポリスなどを入れたものなどがあります。日本では民間的に、はこべを用いており、はこべ塩としても知られています。

日本人に虫歯が多いのは、食生活の中で甘い物を多く食するようになったことが大きな原因の一つであるとされていますが、普段口にする水にも虫歯になりやすい要因があるようです。日本の土壌は、そのほとんどが火山灰土壌であるため、カルシウム分が少ない傾向にあります。そのため、水を沸騰させないでも飲用することができますが、その半面、カルシウムを他の食事等で補わなわなければなりません。

中国甘粛省にある敦煌の莫高窟には、頭を洗っている人や、歯を磨いている人が描かれた壁画があります。古来、衛生観念の重要性と共に、歯に関しては、虫歯にならないように予防することが重要であることが壁画としても残されています。