今年は節電対策の一つとして、ニガウリやアサガオなどのつる性植物を軒先に植えているのを見かけます。ニガウリは巻きひげで他の物に絡みついて2m以上に成長することもあります。この緑のカーテンにより直射日光がさえぎられ、室内の温度が低下するため、エアコンの電力使用量は少なくて済むのです。

ニガウリは本来、ツルレイシという名前で、熱帯アジアを原産とし、日本には江戸時代に伝わったとされます。黄色の花が咲いた後に、こぶ状の突起をもつ長楕円形の緑色の果実をつけます。この果実に苦味があることからニガウリ(苦瓜)と呼ばれます。果実は完熟すると黄色になり、種子を被う仮種皮の部分は甘くなります。これが果物のレイシ(ライチ)に似ていることからツルレイシと名付けられたとされます。

沖縄ではゴーヤーと呼ばれ、郷土料理として、種子の部分を除いて肉や豆腐、卵とともに炒めたゴーヤーチャンプルーが有名です。沖縄において、ゴーヤーは古くから食べられていたようで、『御膳本草』に「苦瓜は、邪熱を除き、労乏を解き、心を清め、目を明らかにする」と記されています。この書物は、琉球王国の侍医であった渡嘉敷親雲上通寛という人物が、食医学についてまとめたもので、琉球王国の食文化を知る上で重要な本の一つです。

なお、中国では、果実、種子、根、茎、葉、花を薬用にしており、果肉をすり潰して、やけどに塗るとよいとされます。また、インドの伝統医学では、種子を糖尿病の人に用います。