ドクダミは日本に広く分布し,山地の日陰や道端や庭の隅など,薄暗くて湿った場所によく見られる植物です。日頃は目立たない場所にひっそりと生えていますが,5,6月ごろにかけて花が開くと,日頃植物に関心の薄い人でも気が付くほどよく目立ちます。花は棒状の中心部が黄色く,全体として白く大きな十字の形をしており,暗緑色をした葉とは対照的に鮮明です。実際には,白い花弁にみえるものは総苞片で,中心の黄色い部分に小さな花が多数集まり,穂状花序を形成しています。

花以外にも特徴があり,ドクダミは覚えやすい植物です。葉は大きめのハートの形で互生しており,色は他の植物に比べて暗い緑で,葉縁や葉柄がやや赤みがかっています。植物には特異な臭いがあり,葉をちぎってみると,強烈な臭みが広がります。根茎は白色で長く横に伸びています。繁殖力が強く,地下の根茎が残っていると,地上部を採ってもまた生えてきます。

日本では民間薬として,煎じて毒下しとして飲んだり,生の葉を腫れものなどに外用したりして利用されています。近年では健康茶として飲まれたりしています。ドクダミが覚えやすい植物で,庭の片隅など身近な場所に生え,繁殖力が強いことなども,利用され続けられている理由であると思われます。ドクダミを薬用にするには,花の時期に採集したものがよいとされています。

中国ではドクダミは「魚腥草」と呼ばれています。薬用にすることは,日本ほど多くはありません。地方によっては,ドクダミを食用にし,葉を炒めて食べたり,根茎をあえ物にしたりしています。北京のスーパーでは,パック詰めされたドクダミの根茎が売られています。

ドクダミは中国の本草書である『名医別録』では,下品に収載されていますので,体調に注意して,お茶などで楽しむのがよいと思われます。