ゴボウは、秋から冬にかけて収穫され、旬の時期を迎えます。新年によく使う食材でもあり、お正月のおせち料理には、たたき牛蒡や煮しめとして入っています。また新年を祝う和菓子である花びら餅には、白い餅に甘く煮たゴボウが巻かれており、彩りと歯ごたえを添えています。

キク科に属するゴボウは、アザミに似た紫紅色の頭状花をつけ、苞の部分は先端にかぎ状の棘があり、手で触ると痛く、衣服によくくっつきます。そのためか、ゴボウは英語では、BURDOCK という名がつけられています。「BUR」は、いがのようにくっつく厄介もの、「DOCK」は大きく始末におえない雑草という意味です。また、中国の本草書の『名医別録』ではゴボウは「悪実」という名で収載されており、植物としては、あまり人気がないものであったことが想像されます。

現在、薬用としては、果実が「牛蒡子」という生薬になり、解熱、解毒、去痰薬として、喉の痛み、腫物などに応用され、処方では「柴胡清肝湯」、「消風散」、「銀翹散」などに配合されています。日本の民間療法では、果実が、乳汁不足、浮腫など、葉が、催吐、腫物などに利用されることが知られています。

ゴボウは、日本では金平ごぼう、煮物などにしてよく食べられている野菜です。一方、原産地とされる中央アジアをはじめ、他の国々では、ほとんど食用にされず雑草として扱われています。かつて植物の調査で訪れたネパールで、ゴボウを採集し調理して食べたことがありますが、現地の人々は、私たちを不思議そうに見ていたことを思い出します。