夏休みは、植物と触れ合う機会が普段よりも多くなるようです。子供の頃は、アサガオの観察をしたり、自由研究で押し花を作ったり、海や山へ出かけたりしたものです。植物を使った遊びもいろいろありました。中には、ジュズダマでネックレスを作った経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ジュズダマ(学名 Coix lacryma-jobi L.)はイネ科の植物で、高さ1m程になり、民家の近くの水辺や道端などで見られます。果実に特徴があり、晩夏から秋にかけて熟すと硬くなり、表面は、白、黒、灰、褐色など様々で、陶器のような光沢をもっています。果実の中央には、雄花の痕跡として縦に穴が貫通しており、糸でつなげてネックレスを作ることができます。日本以外にも、東南アジアをはじめとする世界各地に分布しており、これらの地域においても、ネックレスや衣類の装飾用ビーズとして利用されています。

一方、ハトムギ(学名 Coix lacryma-jobi L. var. ma-yuen Stapf)は、ジュズダマの栽培型で、栽培の発祥地はインドから東南アジアにかけてと考えられています。中国には、後漢の時代に馬援(Ma Yuen)将軍が遠征先のベトナムから種を持ち帰り、伝えられたといいます。日本では、ハトムギは近年、水田転換作物として栽培が増えており、雑穀やお茶などに利用されています。ハトムギの種皮を除いた種子が生薬の「薏苡仁(ヨクイニン)」で、漢方処方では、薏苡仁湯、麻杏薏甘湯などに配剤されています。

ジュズダマとハトムギはよく似ています。これらの区別をするには果実をしっかり観察することが重要です。ジュズダマは表面が硬くて光沢があり、手で割ることはできませんが、ハトムギの果実は外殻が柔らかく、簡単に割ることができます。機会があれば、実際に手にとって体験してみてはいかがでしょうか。これらの植物がより身近に感じられるようになることと思います。