6月には二十四節気の芒種と夏至があります。今年は6月5日が芒種、そして6月21日が夏至にあたります。

芒種の頃は、稲や麦などのイネ科植物の種をまく頃とされています。またホタルが飛びはじめる時期もこの頃です。ホタルはきれいな水を好むため、生息地の減少が心配されています。そのため、近年は、ホタルの生息域を復活させるための活動が盛んです。清らかな水の流れを取り戻すために生息地を整備したり、餌となるカワニナを放流したりするなどの試行錯誤が行われています。このような自然を取り戻す作業が全国各地に広がっています。

芒種の後は、例年、入梅の時期、つまり梅雨入りの季節となります。梅雨前線が停滞して雨天の日々がつづき、洗濯物が乾きにくくなります。梅雨というと、アジサイの花が咲き、カタツムリが歩き回り、しとしとと雨が降るような印象がありますが、近年の異常気象では局所的に豪雨となることもあります。

この時期の樹木は根から多くの水分を吸収します。生薬の中で、「黄柏」はキハダ、「厚朴」はホオノキの樹皮を利用します。これらの樹木も、この時期、水分を多く含んでおり、樹皮をはぎ取りやすくなるため、収穫の時期を迎えます。黄柏は、陀羅尼助や百草丸など日本の各地で古くから使用されているお腹の薬として使用されています。

夏至になると一年で最も、日中の時間が長い時期となります。これから、日一日と暑さが増し、夏の盛りへと向かっていきます。