8月には二十四節気の立秋と処暑があります。今年は8月7日が立秋、そして8月23日が処暑にあたります。

立秋は、暦の上では秋となります。日本では真夏の盛りですが、その中にも秋の気配が少しずつ感じられるようになります。しかし、近年は、異常気象の影響もあり、暑い日がまだしばらく続きます。

このような暑い時期に食べたくなるものには、アイスクリームやかき氷があります。『枕草子』で有名な清少納言も、上品なものとして、「削り氷に甘葛(あまづら)」と記載していることから、平安時代にはすでに氷を食べていたようです。冷蔵庫がなかった時代の夏場に、氷を入手することは非常に困難であったことでしょう。氷の保存には氷室と呼ばれる自然の保管庫が利用されていたものと思われます。その当時、夏場にかき氷を食べることができたのは、極一部の人達に限られたもので、氷は、大変貴重なものであったことが想像されます。

一方、暑い夏を過ごすためには、体力をつけることも大切です。土用の丑の日に食べるとよいとされるものにウナギがあります。今年は土用の丑の日が2回あり、8月6日が2回目の日にあたります。万葉の歌人として有名な大伴家持も、「石麿にわれ物申す夏痩せに良しといふ物そ鰻取り食せ」と、夏ばてにはウナギを食べることが良いと勧めています。

8月も下旬となり、処暑の頃になると、昼夜を問わずに暑いようなことは少なくなり、朝晩は少し涼しく感じられるようになります。暑い夏を越えて、ようやく肌で秋を感じられる日々が巡ってきます。