梅雨も終わりに近づき、これから暑い夏がやってきます。暑い日には、スイカを食べると身体がすっきりとします。夏の野菜や果物には、スイカの他にも、メロン、キュウリ、ニガウリなどウリ科の食物が多くみられます。

ウリ科の植物は、茎に巻きひげを持つのが特徴で、食用や薬用とする種類が豊富にあります。スイカは、アフリカ原産の植物で、広く食用として栽培され、夏を代表する野菜のひとつです。スイカの果汁は利尿薬としても用いられます。また、ヘチマは、茎から採った液汁をヘチマ水といい、民間で利尿薬、化粧水などに用いられています。

ニガウリは、ゴーヤの名前で市場に流通することもあります。大きな葉を持ち、茎を伸ばして巻きひげをからませて大きく成長し、直射日光をさえぎることから、小学校などでは自然のカーテンとして栽培されることがあります。ニガウリの未熟果は名前の通り苦く、炒めものとして食されます。インドの伝統医学であるアーユルヴェーダでは、種子を軽く炒り、糖尿病患者の飲料として用いられています。

アマチャヅルは、民間的に利尿作用や強壮作用を期待してお茶として用いられます。オタネニンジンと類似のサポニン類を多量に含有することから、一時期、オタネニンジンと同様の効果が期待されたこともありました。

ウリの仲間は、このように、昔から身近な存在でした。そのため、私たちがよく使う言葉にもウリ(瓜)が含まれています。「瓜二つ」という言葉は、縦に二つに割った瓜の形が同じであるように、親子や兄弟などの顔かたちが良く似ていることのたとえとして用いられています。